「凍 沢木耕太郎」 山野井夫妻は壁と向かい合って「闘」っていた
皆さんこんばんは
今日はタイトルの通り、とある小説について紹介しようと思う。
あらすじとか
山やってる身としては、読んでおきたかった一冊
— すかいうぉーかー🔥バルクアップ (@unkoBNY) 2019年3月31日
世界的なクライマー山野井が未踏の山頂ギャチュンカンを目指すノンフィクション
凍は、「凍」なんだけど、
「冬」であり、「闘」なんだよなぁ
壁と向き合い、闘う描写は、読んでいて痛々しいほど
寒いし、凍えるけど、ハートは熱くなれるそんな感じ pic.twitter.com/lRHCzYdRjJ
ツイートにもあるように、山野井夫妻がギャチュンカンという8,000メートルにわずかに満たない山を、誰も通ったことのないルート、北東壁を辿って山頂を目指すノンフィクション。
平地の1/3の酸素濃度、氷点下30度、
そんな過酷な環境で夫妻を待ち受けているのは、暴風と雪、そして度重なる雪崩..
結果として、初めてベースキャンプを張った場所から登攀して降りてくるまで、9日間を過ごすことになる。
人間の限界を超えてる..
いや、無理じゃん..死ぬじゃんこれ..
って絶対思うから!
山に対する執念と生への固執
ぼくも山登りする身なので、家族や身内によく言われることがある。
「そんな危険を冒してまで、何が楽しいの??????」
ぼくがやるようなハイキングに毛が生えたレベルの登山と比べるのはおこがましいが、やはりこれは言われてしまうことだと思うが..。
ここで、山野井氏のクライミングに対する姿勢が滲み出ている一節があるので、紹介したい。
早く頂上にたどり着きたい。しかし、この甘美な時間が味わえるのであれば、まだたどり着かなくてもいい。
全身の感覚が全開され、研ぎ澄まされ、外界のすべてのものが一挙に体の中に入ってくる。雪煙となって風に飛ばされる雪の一粒一粒がはっきりと見えるようだった。いいな、俺はいい状態に入っているな、と思った。
危ないところに身を投じて、
— すかいうぉーかー🔥バルクアップ (@unkoBNY) 2019年3月31日
そんで、絶体絶命の危機にさらされて
とか、冷静に考えちゃうと、「最初から行かなきゃいいじゃん」
なんだけど、
最後は生に固執して、山と闘うんだよなぁ
凍えるけど熱いってそんなん
理屈を越えた山野井夫妻の山への哲学とスタイルとが垣間見れてめっちゃ良いっすよ
山に登る楽しみとか、各々で違うと思う。
ただ、登頂したときの達成感もあるが、行程の中で一つの瞬間にかけてるその集中力、その瞬間にすべてをかけている。
そんなことをこの小説から感じた。
ノンフィクション≠小説
この本を読み進める中で、途中で思ったことがある、
「あれ..?山野井夫妻は二人だけで山に臨んで、絶体絶命の危機に陥ってるけど、死んでたらこの本書けてなくね?」
読み進めながら、死ぬんじゃないか?って何度も思わされたが、
登頂に成功し、最終的には生きて帰ることができた。
でなければ、この本は成り立っていない。
終着点に至るまでの過程と心情、描写を追っていくのがノンフィクションの醍醐味とこの本を読んで思い知らされた。
沢木さんやべぇよ..
ノンフィクションは小説との差は、終着点決まってることだよなぁと
— すかいうぉーかー🔥バルクアップ (@unkoBNY) 2019年3月31日
その分、解釈や想像の幅は限定されるんだけどね
安定感ある
「で?どうなったの?」って思っちゃうせっかちな現代人は小説よりむしろノンフィクションのがいんじゃね説
沢木耕太郎の本は他にもあるみたいなので、また読んでみたいと思います。
代表作は深夜特急らしい。
まずは、ここから攻めたい。
これは、読んだ。
墜落するけど、なんか深刻じゃなくて、それはそれで面白い。
おわりに
「凍」は下のイベントで紹介させてもらった本です。
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